我が家の1階部分の床はすべて、トイレからバスルームまでモルタル仕上げになっている。
土間のある家という案も出たが、最終的にはもはや家すべてが土間のような感じに完成した。
屋内と屋外の境界を曖昧にしたようなLDという理想のイメージにもぴったりだし、モルタル床のもつ無骨でタフで、それでいて左官職人さんの手作業仕上げによる色やコテの絶妙なムラが醸し出す風合いがなんとも温かみがある。もう一度家を建てるようなことがあってもきっと床は同じものにするだろうと思うほど、私にとってデメリットのない床である。
気になることを意地でも挙げろと言われたら、それは床に直接ゴロ寝したときのなんとも言えない背徳感である。「屋外のような」というコンセプトを見事に再現しているからこそ、直にゴロリと横たわると、なんとも言えない、人の道に反しているような心のざわめきを感じる。そして固くて身体も痛い。
「屋外のイメージで探すラグ」には、私の想像力では無理があったため、ガレージのイメージで真っ先に思いついたのがビンテージの赤いペルシア絨毯だったのだが、新たなものを購入する時に忘れてはいけないのが我が家で暮らす3匹の猫の存在。人間の好みや都合だけでインテリアを選ぶと結果的にお互いにストレスの原因になってしまうことはすでに経験済みである。
重視したのは以下の点、
- ツメを研がれない
- 猫の毛の掃除がラク
- 猫の毛が目立たない
- 汚れに強く耐久性がある
- 消耗品と割り切れる価格
とまあ、見事に猫対策の条件ばかりになったが、かといってデザインや手触りに妥協したくないな…という不安はすぐに吹き飛んでしまったほど、探し始めたら目移りするほど、理想のビンテージ風ラグが豊富に見つかるではないか、しかも予想以上のお手頃価格で!
はじめに目に止まったのがこちら。
黒地は白猫の抜け毛が目立つかなという理由で断念したのだが、でも次はこれにしようかなと密かに考えているほど未練が残っている。黒は正義。
こちらも迷った。
パイル状だとツメを研がれる恐れがあるため断念したが、モルタル床にビンテージ風の赤はまさに理想通り。
こちらはベニワレン風。
ツメ研がれるだろうしサイドのふさふさもクチャクチャに噛まれるだろうし、残念ながら候補にはあがらなかったのだが、猫のいないお宅であれば間違いなくかわいい。
迷いに迷って購入を決めたのが、こちらのメダリオン柄のブルー。
いつもなら選ばない柔らかい色調なのでかなり迷ったのだが、そして何なら今でも気になっているのだが、汚れや猫の毛が目立たないことを重視したらベストという結論に至った。好みの黒や赤には最後まで後ろ髪を引かれたが、返ってストレスの要因となってしまっては本末転倒である。
猫との暮らしではじめてのラグ購入。実験的な心持ちで買うにもありがたい価格帯である。
買って良かったと思えるラグが、1万円台で
過去の経験から、敷きもの類は値段をケチると必ずしっぺ返しを食らうという意識を持っていた。
波打つほどペラペラだったり、便利グッズを駆使しないと滑ってしまったり、苦い思いも何度かしてきた。
今回のラグも過去に失敗した敷きものとさほど値は変わらないはずなのに、しっかりと肉厚で重厚。毛もびっしりと敷き詰まっていて、気付くと撫でてしまうほど滑らか。ビンテージ風の色合いや作り方も本当に上手だなと感心する。ゴロリと横になって猫が添い寝でもしてこようものなら、心地よさから一瞬で眠りの世界に誘われる。このようなラグが1万円台で購入できるなんて、良い時代になったな、なんて言ってみたくなる。知らんけど。
我が家のラグは掃除機による吸引はもちろん、毛取りブラシからコロコロローラーやらで一日に何度も激しく猫の抜け毛を掻き出されているため、もしかしたら手触りの良さは通常より早く失われてしまうかもしれない。それでも価格を考えれば十分に満足である。
猫とラグの相性をみるための実験的ともいえる買い物だったが、予想を越える成功だった。
毛の形状や色合いを選べば、猫も人間も双方良しの快適を、しかもお手頃価格で手に入れられるということが分かった。
そして願わくばいつかは、インテリアが格上げされるようなビンテージのペルシアなんか敷けたらいいなあ。
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