ようやく最もお伝えしたい話題までたどり着いた。
戸建てを建てると決まったときに不安材料の筆頭であった「寒さ」。
サーマ・スラブは決まり手となり得たのか否か。実際に何度か冬を経験しての感想。
耐久性は半永久…も納得のシンプルなしくみ
参考にして頂くため少し我が家の動向を紹介すると、家族構成は夫、私、高3の娘、中3の娘、猫3匹、へび1匹。倹約家か浪費家かと言ったら迷う事なき浪費家であり、不快感を我慢する気はさらさらないメンバー。好きなように暮らして電気代をみて崩れ落ちるタイプの暮らしぶりなので、それを踏まえて参考にして欲しい。
例年、朝夕に寒さを感じるようになる11月頃にサーマ・スラブを起動する。
ここで電熱パネルの温度を設定し、少しずつ蓄熱層の温度を上げていく。
右の1,2のランプが点灯しているのがスイッチが入っているしるし。設定温度はこのとき28.0℃。
何も見えないけれど、表示を切り替えれば実際の温度が分かる。
このとき系統1は28.0℃、系統2は26.0℃。系統1は設定温度に達している。
夜間電力を利用して数日間かけてじわじわと設定温度に近付いてくる。
速暖性でほかの暖房器具と勝負をしたらぶっちぎりで完敗である。少し今日は冷えるわと思って設定温度を高めても、応えてくれるのは数日後。そういう性質のシステムであることに理解が必要。
そして、人間が操作できるのはたったこれだけ。秋口にスイッチオンして春先にオフ。
なにせ相手は土の中なのでメンテナンスもなし。たまに気が向いたときに温度を見て「へー」と思うだけ。
数日後の朝、床のほんのりとしたぬくもりを感じ、本格的な冬の訪れへの心構えをする。
寒くない家を実現、広告に偽りなし
次世代の暖房システム、サーマ・スラブは「寒くない家」を実現するとうたわれている。
5年暮らしてみて感想を一言にまとめるとしたら、そうそれ、「寒くない」。それに尽きる。
家族が集まる吹き抜けのLDはもちろんのこと、2階も、脱衣所も、玄関も、トイレも、寒くて行きたくないと感じるような場所がない。しかも24時間いつでもだ。
決して暖かくはない。家の中で最も熱源が近い床でさえ、一般の床暖房で感じるようなポカポカした感覚はない。ただ、どこも寒くはないのだ。(しつこい)
この「寒くない」の恩恵は非常に大きい。
寒くないとは言っても外気の冷え込みによる多少の寒暖差はあるので朝夕はエアコンの暖房をつけるのだが、LDの1台を稼働させるだけで2月の寒い日でも家中が半袖と短パンで過ごせるほど暖かくなる。これがすごい。
浪費家の我が家は暖房をつけて半袖で過ごしているが、しっかりとした方なら厚着をして補助暖房なしで過ごせるはずである。
そしてもうひとつ特筆すべきは、サーマ・スラブの輻射熱を利用した暖房の安全性と人体への優しさである。
熱源がむき出しになった暖房器具と違い、火災や火傷の心配がないこと。お年寄りや乳幼児、ペットにも安心である。そして燃焼による空気の汚染もなし。温風による乾燥もなし。そして無音。また冒頭に述べたヒートショックの予防策と言われる「温度のバリアフリー化」へのアンサーがまさにこれではないかと私は思う。
我が家の目玉とも言えるオプションであるにもかかわらず、目に見えないからここであえて言いたい。サーマ・スラブ、暮らしの要望にぴったりと合う方は多いと思う。
サーマ・スラブ、我が家にとっては満点の暖房システム
気になる電気代についても触れようと思ったのだが、我が家の年間の電気使用量グラフを見て、4人家族の一般的な平均額より訳が分からないほど上回っていることが判明。
ちょっと恥ずかしくなったので今回は公開を控える。そして今後ちょっと節電について考える。
ただグラフの昇降から読み取れることは、スイッチを入れて設定温度まで温度を上昇させる期間は、夜間電力のみをしようするとはいっても「これかな」と思える電気料金の上昇がみられるが、その後は緩やかであるということ。
サーマ・スラブが天然蓄熱層を作る飽和土壌は、一般の蓄熱材にも勝る非常に優秀な蓄熱材であり長期蓄熱が可能である。また放熱もゆるやかなため無駄もなく、夜間に貯めた熱を短期間で使い切るようなこともない。使われなかった熱はそのまま地中に蓄えられる。
つまり長期蓄熱性のメリットを最大限に活かし、地中を設定温度に保つためのわずかな加熱を繰り返すだけで冬の3ヶ月を快適に過ごせるというわけだ。よく考えられている。
我が家にとっては今のところデメリットが思いつかないくらい導入して大成功だったと言えるサーマ・スラブ。ここに書き連ねたのはあくまでもサーマ・スラブを気に入っている人間の感想である。導入した方の中には逆の感想を持った方もおそらくいるだろう。
高額の設備であるし、迷うのは当然のこと。ぜひ賛成意見も反対意見も精査して欲しいと思う。
検討されている方にとって、この記事がその為の参考になれば嬉しい。
サーマエンジニアリング株式会社 我が家がお世話になりました。
コメント