サーマ・スラブってどう?その1提案

家を建てようという話が出たとき、戸建て住宅について私の頭にいくつかの不安がよぎった。
防犯…ご近所付き合い…ゴミ当番…、数ある中でも最も深刻に私を悩ませたのが

戸建て=寒い というイメージ。

実家の、吐く息が白い2階、決死の覚悟で服を脱ぐ脱衣所、手をさすり足をこすりの朝の台所。戸建て住宅のどこもかしこもが寒いイメージに埋め尽くされている。

なんならマンション住まいでも凍えているというのにこれより寒い冬に耐えられるのだろうか。さもなくば、暖かい環境を保つために電気代の請求を見て崩れ落ちるような月日を過ごさざるを得ないのか。

選べない…!

私の不安を知ってか知らずか、設計を依頼していた建築士からサーマ・スラブの導入を提案される。
床暖房のようなシステムであるらしいが少し違う。初めて耳にする名だった。

床暖房とサーマ・スラブの違い

床暖房と言われたらすぐにあれだなと想像ができた。あの、子どもの頃、お金持ちの友達のおうちで感動したあの床。だがこのサーマ・スラブはシステムが違うとのこと。

一般的に床暖房とは、温水管や電熱線などの熱源を床材のすぐ下に張り巡らせて床を暖めるシステム。設定温度にもよるが床自体が熱を帯びるため、触れた瞬間から足の裏が「自分、幸せです」と主張してくるポカポカさである。

一方、サーマ・スラブはヒーターパネルを地中に設置し、夜間電力を利用して建物下の地中を暖める土壌蓄熱式床暖房システム。つまり家の下の土を暖めて、その輻射熱で一日中家を丸ごと暖めようというもの。

メリットとデメリットを整理して検討 

一日中、家中ポカポカ、良さそう!
…でも、はじめて耳にしたシステムだけに不安。

良さそうと不安のループにはまり、提案に対してすぐに返事をすることができなかった。
「良さそう!」と「不安」を整理してみると

良さそう!

  • 家中、一日中ポカポカなんて本当だったら理想的
  • それが本当だったらそんなに高くない
  • 夜間電力だけを使用するならランニングコストも恐れる必要ないかも。
  • 蓄熱制の高いモルタル床との相性も良さそう。 

不安

  • まず周りに利用している人がいない。(調べられない)
  • 大手のメーカーではない。
  • 1平方メートル約15,000~20,000円と安くはない。
  • 地中で故障したらメンテのしようがない。
  • 電気代、本当に大丈夫?
  • そもそも全然寒かったら!?

いくら考えても調べても答えは堂々巡り。
確信がなくても、これはどこかでどちらかに踏み切らなくてはなるまい。
賭けとしか言い様がないが、最終的に出した答えはGOだった。
たとえ賭けに負けたとしても、設計を任せていた義弟の経験値になるなら決して無駄ではないと思ったからだ。

それに加えてモルタル床に家の半分近くが吹き抜けという極寒街道まっしぐら設計の我が家。なにか切り札となるような暖房システムは欲しいところ。
次世代の暖房システムサーマ・スラブは、この仕様、この間取りの可能性を広げる救世主となり得たのかどうか。

その2へ続く。

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